家系図

[茨城県 男性 71歳]

イラスト  私たち夫婦は共に70歳を越えているし、また90歳の両親を送ってから、7年になる。私が家系図の作成を思い立ったのは、両親を亡くしてからである。
 私は長男だが、両親が80歳を越えるころまで仕事の関係で、ずっと別居していたので田舎の実家での様々な付き合いは、ほとんど両親任せであったから、両親を亡くしてから、何かにつけて困ることが多くなった。
 例えば、年回忌の法事をやるときに誰と誰を呼ぶべきか、席順はどうなのか、どの程度の付き合いの人なのか…といったことがよく分からない。大体は近くの親戚の人がやってくれるのだが、昔のことを知っている年寄りも年々いなくなってしまう。
 そこで、大きな和紙に自分で分かる範囲の家系図を書いておいて、お盆やお彼岸や法事など、親戚にあえる機会に必ず持参して、書き足すようにしている。
 これは大変便利で、親戚同士お互い知らないことも多く、特に親を亡くしている若い世代の人達からは、是非コピーを欲しいといわれている。この表は、書き始めてから4、5年たつが今では、余白がほとんどないくらいで、ほぼ完成している。
 元々私は日記をつけたり、色々と記録をすることが好きなので、なにか将来に残すものを作りたいと思っていたのが、この家系図一巻を手始めに、両親の葬儀、一周忌、七回忌などの記録を巻物の形で残しておこうと思っている。
 こういった祖先の書き残した古文書を見る度に、祖先が身近に感じられ、仏壇での礼拝にも身が入るような気がする。


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